医師はあと一歩だと言うが、退院出来ない。
どうやら脳の一部が縮小して、馬鹿になってるようだ。
認知症になるかもしれない。
そこを治そうとリハビリしてるようだが、わしはもともと
学歴秀才ではないから、馬鹿でもいいのに。
真理が言えればそれだけでいい。
王様は裸だと言えればそれでいい。
山下清でいい。
漫画が描ければ幸福だし、描けなくなったら死ねばいい。
小林よしのりの存在意義って、ただそれだけだろう。
だからベッドに座ったまま絵コンテを描いている。
左手は痺れを治すためにハンドグリップをカチカチ
やっている。
入院中に描いたこの漫画が面白いか否かがわしの運命の
分かれ道だ。
それでも、こんど脳出血したら、一巻の終わりだけどな。
昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」（光文社）にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」（扶桑社）にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」（幻冬舎）にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。
